ディスカス飼育


ディスカスの選び方
  ディスカスを飼育するあたって、特に重要なのが、購入時の個体選びである。ここで失敗してしまっては、どれだけディスカスに適した飼育設備が整っていても、飼育はうまくいかない。そのため、健康や先天的な異常などを見極めることが重要となる。健康なディスカスは、「ディスカスらしいバランスの良い体形を保ち、肉付きがよい」、「体表に光沢があり、背ビレを綺麗に開いている」、「水槽の」前に人が立つと、餌をねだりによく寄ってくる」などが特徴である。しかしそのよな固体であっても、全長5cm以下の幼魚は体力がついておらず病気にかかりやすい面がるので、はじめてディスカスにチャレンジする人は避けたほうが無難である。他には、ボディサイズのわりに目が大きい個体は成長不良の可能性があるので、入手しないほうがよい。先天的な異常とは、「背骨が曲がっている」、「左右のヒレや目の大きさが不揃いである」、「エラ蓋がめくれていたりかけている」などである。これらにひとつでも当てはまっていたら避けたほうが良い。

水槽導入時の水合わせ
ディスカスを持ち帰ったら、水温や水質の変化によるショックを与えないために「水あわせ」という作業を行ってから水槽に移すようにする。せっかく状態の良い個体を入手しても、水あわせをせずにいきなり水槽に入れると負担がかかって調子を崩すことがある。また、順調に飼育しているディスカス水槽に、新たにディスカスを追加する場合も、いきなり入れるは避けたほうがよい。健康そうに見えた個体でも、なんらかの病気を持っている可能性もあり、新たに追加した個体が水槽内に病原菌を持ち込んでしまう恐れもあるからだ。
それを避けるには、トリートメント水槽を用意し、2週間〜1ヶ月ほど様子を見るとよい。水槽サイズは、ディスカスの成魚1〜2匹であれば60x30x36(高)cm水槽で十分である。フィルターはスポンジフィルターを1-2基使用し、管理のしやすさを優先しひ底砂は敷かない。しばらくたっても特に問題ないようならメインの飼育水槽へ移すことができるが、トリートメント中に何かおかしな様子が感じられたら、そのまま治療をすることになる。以下に、症状別の治療法を述べてみよう。

?体色が黒っぽくなりヒレを閉じている。体表に傷があり、分泌が出ている
このような症状をしている個体は、なんあらかの細菌感染症にかかっていると考えられる。治療としては、まずエルバージュかグリーンFゴールドを規定量の1/3ほど入れる。さらに食塩も、水20Lにつき大さじ一杯程度いれて3日間様子を見る。そして3日後に約半分の水換えをして、新しく足す水に適量となる薬と塩を足す。これをくり返しているうちに治ることが多い。
?餌を食べない。白いフンをする。痩せてきた。
餌を食べないときには体力が落ちているので、投薬するとよけい弱ってしまうことがある。そこて、まずは餌を食べさせることを優先する。最適な餌は、嗜好性が高く、病原菌を持ちこむ恐れがない冷凍アカムシである。これらの餌を食べるようになったら、治療を開始する。このような症状では内臓に寄生虫がいる可能性が高いので、餌に駆虫薬を混ぜるか、駆虫用のディスカスハンバーグを与える。週に1回のペースで3〜4週突続けると治ることが多いが、治らないようであれば同じペースで治療を続ける。餌喰いがよくなったら、通常の給餌に切り替えることができる。


ディスカス飼育に役立つ用語解説

●亜硝酸
魚の排泄物、残餌などが腐敗して発生する有害なアンモニアが、ろ過バクテリア(ニトロソモナス)によって分解され、生じた物質。生物にとって有害なので、亜硝酸濃度が高いと(程度によるが)魚やエビの飼育はできない。
●硝酸塩
亜硝酸がろ過バクテリア(ニトロバクター)によって分解され、生じた物質。毒性は低いが、水のPHの低下をもたらす。アクアリウムではこれ以上の分解が難しいので、換水によって水槽外に排出する。
●硬度
水中の金属イオン量の度合い(水の硬さ)のことで、単位はdHで表される。すくなければ軟水で、多ければ硬水となる。
●KH
炭酸塩硬度のこと。水中の、炭酸水素イオンと金属イオンの化合物濃度を表し、pHの上下の動きと密接な関係がある。ディスカス飼育では1以下に抑えたい。
●GH
総硬度のこと。水中に含まれるカルシウムやマグネシウムのど濃度を示したもので、アクアリウムでの「硬度」は、通常GH(総硬度)を指す。ディスカス飼育では1〜3内に抑えたい。
●硬水
硬度の高い水のこと。ディスカス飼育が盛んなドイツ、ヨーロッパのミネラルウォーターや水道水は硬水である。日本でも、硬水の地域がある。
●軟水
硬度の低い水のことで、一般的には総硬度15dH以下の水を指す。原種ディスカスの生息地は軟水であることが多い。
●pH
水が酸性〜アルカリ性のどちらに傾いているかを表す単位。中性をpH7.0として、それよりも高いとアルカリ性、低いと酸性になる。日本の多くの水道水は中性である。
●導電率
水中に溶け込んだ電気を通す物質の度合いで、アクアリウムではマイクロジーメンスで表される。基本的には不純物が多いほど数値があがる。自然下では季節によって変化し、産卵を誘発する大きいな要因となっている。
●ろ過バクテリア
生物に有害なアンモニアを、亜硝酸、硝酸塩へと分解し、つくりかえていく微生物のこと。また、この過程を生物ろ過という。目には見えないが、ろ材や飼育水中に存在している。水道水の塩素には弱い。
●飼い込む
魚をじっくりと、かつ状態よく育て上げること。ディスカスは成長と共に体色美しくなる個体が多いので、時間をかけて飼いこんでほしい。
●換水
飼育水を換えること。古い水と共に硝酸塩や老廃物、ゴミなどを吸出し、新しい水を追加する。換水の回数や量は、飼育魚や状況によって異なる。
●混泳
様々な種類の魚を、ひとつの水槽で飼育すること。デイカス飼育では、他の魚を混泳させないケースが多い。
●水質の急変
pHや硬度が急激に変化すること。魚は水質が急変すると体調を崩すことがあり、ディスカスも例外ではない。
●ペアタンク
底砂を何も敷かない水槽のこと
●pHショック
購入した魚を袋から飼育水槽に移す場合や、魚を移動させる場合 、元の水と異動先の水のpHに差があると起こる症状。換水の際に、新しく入れる水とのpHが違いすぎても起こることがる。丁寧に水あわせや換水することによって、防ぐようにしたい。
●水あわせ
購入した魚を水槽に入れるとき、水槽の水を魚が張っているショップの水に少しずつ混ぜて、水槽の飼育水になじませること。
●溶存酸素
水に溶け込んでいる酸素の量。基本的には多くの魚やろバクテリアは酸素の豊富な水を好む。飼育水の溶残酸素が少ない場合、エアレーションで酸素補強をおこなう。
●基質産卵型
ディスカスのように、水中の石、流木、水草など、物に卵を産み付けるタイプの魚。石の表面などのオープンスペースに産卵するものをオープンスポウナー、石や流木の下など、周囲から見えない場所に産卵するものをケーブスポウナーと呼び分けることがある。ディスカスはオープンスポウナー。
●ディカスミルク
ディスカスが、繁殖時に体表から出す分泌物のこと。稚魚はこれを食べて成長する。同じ南米産シクリッドの、トライアングルシクリッドなどでも同様の生体が見られる。
●ディスカスハンバーグ
牛のハツを主原料に、ディスカスのために作り出された餌。栄養価が高い反面、他の餌を与える時よりも水質を悪化させやすいので、水質管理にはきをくばりたい。
●改良品種類
体色や体型、ヒレの長さなどを、原種とは異なった表現にするたに、人為的な繁殖によって作出、固定された品種。淡水棲の熱帯魚ではディスカス、グッピーが代表的。
●原種
品種(改良品種)の元になる野生の種
●ワイルド個体
自然下で採集され、流通する個体。WC(ワイルドコート)との呼ばれる。
●養殖個体
人為的に養殖され、流通する個体。CB(キャプティブブリード)と呼ばれる。


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